住宅ローンと相続税についてのQ&A
住宅ローンが残っている場合、相続税の申告書にはどのように記載すれば良いのでしょうか?
亡くなった人に住宅ローンが残っている場合は、亡くなった人に債務があったこととなりますので、相続税の債務控除の対象になります。
他方、残された自宅の土地、家屋については、プラスの相続財産として、相続税の課税対象になります。
したがって、残された自宅の土地、建物については、相続税評価を行い、評価額を「第11表 相続税がかかる財産の明細書」に記載することとなります。
また、残された住宅ローンについては、残額を「第13表 債務及び葬式費用の明細書」に記載することとなります。
いつの時点の住宅ローンを記載すべきなのでしょうか?
「第13表 債務及び葬式費用の明細書」に記載するのは、相続時点の実際の住宅ローンの残高です。
返済予定表に記載された残高は、月末時点の残高であり、厳密には、相続時点の残高は記載されていません。
また、過去に返済の遅延があった場合には、返済計画表の残高と実際の残高との間にずれも生じてくるでしょう。
相続時点の住宅ローンの正確な残高を把握するために、残高証明書等を取得すべき場合もあるでしょう。
亡くなった人が団体信用生命保険(団信)に加入していた場合は、どうなるのでしょうか?
亡くなった方が、住宅ローンを組んだ際、合わせて団体信用生命保険(団信)に加入していることがあります。
団体信用生命保険(団体)に加入すると、住宅ローンの債務者が亡くなった場合には、保険会からが住宅ローンの金融機関に対して、住宅ローンの残額に相当する額の保険金が支払われ、住宅ローンの残額の支払に充てられます。
これにより、残された遺族は、住宅ローンの残額の返済を免れることとなります。
亡くなった人が団体信用生命保険(団信)に加入していた場合は、相続税申告はどのように行えば良いのでしょうか?
保険会社から支払われる、住宅ローンの残額に相当する額の保険金については、金融機関に支払われるものであり、相続人に対して支払われるものではありません。
したがって、みなし相続財産にはならず、相続税も課税されないこととなります。
他方、住宅ローンの残額については、保険金によりカバーされることとなり、相続人は実際に負担しなくても良いものとなりますので、相続税の債務控除の対象になりません。
結局、残された自宅の土地、家屋が、プラスの相続財産として、相続税の課税対象になるのみとなります。
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