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農業に利用している土地の相続税について

  • 文責:税理士 寺井渉
  • 最終更新日:2021年7月7日

1 農業に利用している土地の評価方法

被相続人が農業を営んでいた場合には、農業に利用している土地の評価を行う必要があります。

このような土地としては、田や畑として利用されている農地や、農業に利用されている建物が設置された土地があります。

このように、農業に利用している土地については、多くの場合、土地の固定資産評価額に、評価倍率をかけ算することによって、評価額が計算されることとなります。

土地の固定資産評価額については、市町村役場から届く固定資産税納税通知書で確認することができます。

また、評価倍率については、国税庁のホームページに掲載されている評価倍率表で確認することができます。

田や畑については、田や畑の評価倍率を確認すれば良いですし、農業に利用されている建物が設置された土地については、宅地の評価倍率を確認することが多いでしょう。

市街地農地や市街地周辺農地の一部については、路線価をベースとした計算を行う必要がありますが、それ以外の多くの土地については、上記の計算方法で評価額を計算することができます。

もっとも、地域によっては、上記とは異なる計算方法を用いることができる場合があります。

このように、異なる計算方法を用いることにより、農業に利用している土地の評価額を大きく減額することができることもあります。

ここでは、こうした減額が可能な例について、説明したいと思います。

2 農業用施設用地で認められている評価方法

農業用施設用地は、耕作や養畜のために必要な施設のために使用されている土地のことを言います。

具体的には、農業振興地域の整備に関する法律第3条の第3号と第4号で定められています。

農業用施設用地は、建物が存在する土地であるため、固定資産税評価額が、宅地の評価で付されていることがあります。

宅地の固定資産評価額は、田畑と比べて大きな金額が設定されていることが多いです。

このため、農業用施設用地についても、宅地としての固定資産評価額に、宅地の評価倍率をかけ算すると、田畑と比較して大きな評価額になりがちです。

しかし、農業用施設用地は、地域によっては、宅地のように自由に売買できるわけではないため、宅地と同様の評価方法しか用いることができないのは、妥当性を欠いていると言えます。

このため、農業用施設用地のうち、農業振興地域内の農用地区域または市街化調整区域にあるものについては、周囲の田畑の評価額をベースとしつつ、宅地造成費分を増額修正することにより、評価を行うことが認められています。

周囲の田畑の評価額をベースとすることができれば、宅地の固定資産評価額に基づいて計算する場合と比較して、評価額を減額することができる可能性があります。

ただ、農業振興地域内の農用地区域または市街化調整区域にある農業用施設用地であっても、都市計画条例等により、宅地と同様に売買ができる場合には、このような評価方法を用いることはできません。

このような評価方法を用いることができるかどうかを検討するにあたっては、都市計画法等の規制にも詳しい税理士にご相談いただくのが良いでしょう。

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